乱反射 2013 インクジェットプリント、宿泊客との会話、宿泊客の経験と作家の写真の交換 写真のサイズ:各297 x 210 mm 瀬戸内海への玄関口である岡山、宇野港のゲストハウスでの展覧会。会期中は現場に滞在、その町や瀬戸内の島々で撮った スナップショットを壁に貼っていった。観客は、私に何か面白い旅の小話をすれば、気に入った写真を持ち帰れる。 知らない人同士が出会う場で、思い出を交換する。 ![]() プレスリリース(一部抜粋) 齋藤春佳、手塚太加丸、内藤由樹は、港食堂&ゲストハウス&ギャラリー[lit]で出会いました。 この3人がこの夏[lit]で展示をします。 2013年の夏はこれから始まりますが、 この期間におこりうるできごとは、その次の瞬間には消えてしまいます。 けれど、 全部が終わって物自体が消えても、 その光を見た主体がその場所を立ち去っても いつかその場所自体が消えたとしても、 主体が見たすべてを忘れても、 作品が腐っても、 そこにあったすべてが消えてしまっても、 もう一生会えなくても、 作品が、 訪れる人や光によって変わる反射点として開かれたまま、現実に現れていることによって、 その時作品に当たって乱反射、シャッターを押す、巣、砂、苗、絵、ATフィールド、動的平衡、宇野駅、記憶、黒目、 目に反射、沙弥島 の木、きゅうり、 lit 、灯台、引力、クーラー、汗、「セイタカアダチソウじゃない?」 、 インスタントカメラ、乱反射した光は、 そのしりとりの最後の音が、唱え終わられて消滅してから、 同じ音を最初にもつ言葉すべてに開かれ続けているように、 光が当たって反射点が出来た瞬間から、 その後の反射方向のポテンシャルを無数にもっていて、 どこかへ当たってまた、別の方向に実際に反射、 ずっと、消えないで、 乱反射し続けていくことは、ありうるのではないかと、考えます。 当展示は瀬戸内芸術祭とは関連のない個別の企画ですが、 瀬戸内芸術祭の期間中に行います。 その期間に様々な地域から訪れる個人個人が、 その日に訪れたからこそ、出会う人や出会うできごとがある、 という特性をゲストハウスという場所は持っています。 そのような場所で、 訪れる人と作品がその瞬間限りの迎合を果たし、 人自体も、作品も、 その一瞬の反射点によって 反射しあい変化しあう展示空間を作ることで、 一定期間で消えてしまう仮設的な展示における新しい価値を示します。 この展示において、三人の作品と乱反射しあう空間と時間を皆様と共有できることを、心より願っています。 |